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表1は1997年にD. Binder et al.により報告されたAHAの臨床成績です。この結果、AHAに着床を補助するような効果があることを示すには至りませんでした。また同時に高年齢や透明帯脱出能力以外にも着床を妨げる要因がある可能性が示唆されました。しかし一方では、透明帯が厚いと着床しにくくなるという報告もあり、AHAが着床率を改善する方法かどうかは患者様一人一人を取り巻く様々な要因、および今までの治療内容を考慮して検討する必要があると考えられます。


※胚は透明帯という殻に包まれています。この殻から脱出した後に内膜に着床します。
左写真は上から順に脱出途中の胚、脱出前の胚、脱出途中の胚、脱出後の胚
となっております。

 <胚の質が良好なのに着床しない>この原因の一つとして透明帯からの胚の脱出不全が考えられています。透明帯からの胚の脱出不全は高齢者における着床率低下の原因の一つとも言われています。
1990年初頭、J. Cohenらは顕微鏡下において透明帯の一部に亀裂を入れることにより、受精卵の着床率が改善されることを報告しました。受精卵が透明帯から脱出(Hatching)するのを補助する操作であることからAssisted hatching(AHA)と言われます。
 胚盤胞期になると胚は体積を拡張させることにより、まわりを包む透明帯を薄く引き伸ばし、その一部を酵素的に溶かして脱出することが知られています。そこで当院では酸性タイロード液をふきかけて、あらかじめ透明帯の一部を薄くしておくことにより脱出を補助する方法を実施しています。